幸せな夫婦になることが自分の義務

幸せな夫婦が増えたら、きっと日本はもっと平和になる。私はそう信じています。私は演劇を使った心理療法・ドラマセラピーというものにとても興味があります。

ドラマセラピーは、演劇の力を通して、自分の心の中を表現したり、今までできなかったことを試してみるなど、実際に動きながら自分の問題と向き合うというとても能動的なセラピーです。

今までに子どもから高齢者の方まで、本当にたくさんの人にドラマセラピーを体験していると言います。

参加者の年齢がいくつであっても、彼らの人生のドラマには、共通して重要な存在があるといいます。それは、「お父さんとお母さん」

自分に自信が持てず、生きづらく感じている人のほとんどが、両親との関係に問題があるのです。

母親が父親の悪口を言うのを聞きながら育った人、両親の離婚を自分のせいだと思い込んでいる人、塾通いが続き、家族と一緒に夕食を食べたことがなかった人、親から虐待を受けていた人もいるのです。

特に虐待を受けてしまった子どもたちに対して、他人ができることはほんのわずかでしかない、と思うことがしょっちゅうあります。親さえ変わってくれたら…。そんなことを誰でもよく考えます。しかし、「親に問題があった」といって、簡単に片づけることはできません。親もまた、誰かの子どもだったわけで、私たちが抱える問題は、連鎖的にさかのぼり、永遠に終わりません。

これを終わらせるためには、これから家庭を作る人たちが、子どもにとっていい環境を作り出す努力が必要なのではないでしょうか。

そのためにはまず、父親と母親が幸せな結婚をして、幸せな家庭を築く必要性があるのです。

 

結婚は夫婦が一体となり、人間として成長する場所

結婚は「分離されていた二者の再統一」だと、アメリカの神話学者、ジョーゼフ・キャンベルが言っています。

夫婦がふたりでひとつになること。それこそが、結婚の真の意味だと言うのです。彼はこう言っています。「結婚は単なる肉体関係ではない。それはひとつの試練です。そしてその試練とは、二者が一体になるという関係において、エゴを犠牲にすることを意味しています」。(ジョーゼフ・キャンペル&ビルーモイヤーズ著『神話の力』より)

結婚とは、通常の「自分」を超えた、「ふたりとしての自分」のためのものであり、私たちが考える以上に、もっともっと深い結びつきのことをいうのではないでしょうか。

しかし、結婚相談所などの話を聞いてみると、多くの男性が、相手の女性を選ぶとき、「子どもが産める年齢」にこだわってしまうようです。女性も、「安定した職業」など、年収や学歴にこだわる人も多いと思います。もちろん、子どもを産み育てていくことも重要なことですし、経済的な安定は誰でも望むことです。しかし、それ以上に重要なことは、パートナーシップを築く」という意味で結婚をとらえ、その中で、いかに人問として成長していけるのか」ということなのです。

全くの他人と、深く結びつくことと同様「それぞれのエゴを捨てていくこと」というのは、簡単なことではないでしょう。大げさな言い方ですが、一生をかけて作っていく人間関係が、結婚ではないでしょうか。年齢や見た目、職業などの条件で相手を選ぶことも、子どもを産むことができる年齢が結婚適齢期だと言ってしまうことも、本来の結婚の意味から考えれば、とても狭い考えでしかないと思います。

結婚は、失敗ややり直しも起こりうる、何歳になっても必要な「人問が成長するための精神的な学びの場」だといえます。女性が、精神的にも経済的にも、ある程度自立していなければ、そんなことまで考える余裕など持てないでしょう。

とはいえ、ここまで独身できてしまったのだから、出産のリスクを負った上で、結婚について考えてみる必要もあると思います。

高齢出産のマイナス面はご存知かと思いますが、最近の医学は、高齢出産のプラス面も明らかにしています。ハーバード大学では、「40代で出産した女性のほうが長生き」という研究結果を報告しています。イギリスのロンドン大学などの調査によると、「30、40代の母親の子どもは、不慮の事故や入院が少なく、言語の発達や社会情緒的発達の面においても良好」なんだそうです。高齢で出産した女性のほうが、高い意識を持って子
育てをしていることも関係しているようです。精神的に成熟している親になれることは、子どもにとっても改要だということです。

高齢出産は母体にも負担が大きいですから、決して安心だと思っているわけではありません。でも、年齢を重ねたからこそ、自分の体を大切にしながら出産を迎えることができるとも言えます。医学が進歩するに従い、女性の生き方や健康に対する意識も大きく変化しているのです。